少子高齢化の加速は、とどまるところを知りません。生産年齢人口の減少と購買層の変化は、新たなサービス産業のあり方を渇望していると思われます。
今、店頭を訪れるお客さまたちは、かつての若者達中心から高年齢者中心となり、また外国人の比重がとても大きくなっています。
実際、海外からのお客様は年間2,000万人を超え、国は2020年には4,000万人に達すると目標設定しています。
また小さな子どもの子育て中の両親や妊娠中の女性たちも当たり前に仕事に買い物に来ています。もちろん、障碍のある人たちの社会参加も増加しています。
こうした店頭にいらっしゃるお客さま層の変化に、企業や第一線で働く社員やスタッフたちは対応しきれているでしょうか。
多くの現場では、混乱が生じていると思われます。
しかし、この購買層の変化は大きなビジネスチャンスでもあります。
さらにLGBTの方達の消費は思いのほか多く、しかもその消費はほぼ家庭内で使われているという調査結果があります。その事実が何を意味するかというと、すなわちホテルやレストラン、ショップの店頭などで十分なサービスを受けることができない、不愉快な思いをするという現実があるから、それならば自宅で豪華に優雅に仲間で楽しもうと考えているからなのではないでしょうか。
「モノが売れなくなった=十分持ってるから、もう買うモノがなくなった」
わけではないと考えています。
さまざまな違いを理解しそれぞれの特性に応じた十分で快適なサービスが提供できれば、多くの多様なお客さまがさらにサービスを受けたいと訪れてくれるはずです。
サービス産業の現場でさらに多様なお客さまへの心地よい対応が提供できれば、超高齢化と人口減少が進むなかにあっても、日本の生産性と活力はインバウンドの力を借りながらもさらに活性化するはずです。そのためにも、ダイバーシティの推進は必須の課題と考えます。
私たちはダイバシティ・アテンダント検定など人材育成を通して、ダイバーシティなおもてなしの後押しをし、少しでも日本のサービス産業の新たな飛躍の一助になればと願っています。
2016年10月
代表理事 内山 早苗